妙高火打 弥八山、笹ヶ峰 2010年5月8日

所要時間 4:44 笹ヶ峰駐車場−−5:34 黒沢−−6:29 弥八山 6:36−−7:11 笹ヶ峰−−7:33 林道−−7:51 笹ヶ峰駐車場



概要
 黒沢岳南西に位置する弥八山と尾根続きの笹ヶ峰を歩く。弥八山は登山道は無く激笹薮が予想され、常識的には残雪期のみ登頂可能。黒沢を渡る橋まで登山道を辿り、橋を渡ってから登山道を離れて西に下って弥八山に続く尾根に上がった。残雪がたっぷりで藪漕ぎ皆無だったが、夏ルートは不明で笹ヶ峰駐車場から火打方面に初めて歩く人はルートが分からず迷うかもしれない。夏ルートは気にせず黒沢を渡った先の尾根を目印に進んでいけばOK。笹ヶ峰から下の遊歩道もほとんど雪の下だった。

 弥八山は標高2000mを僅かに切るが1900mオーバーの高さを誇り、登らないのはもったいない山でいつか登ろうと考えていたが、妙高火打エリアはほとんど登ってしまったので足が遠のいていた。今回は大型連休を白山エリアで過ごし、連休が終わってから東京への帰り道の途中に妙高が位置し、体力的にもまだ回復していない状態で弥八山あたりがちょうど良さそうな選択肢となった。大型連休直後の週末なので入山者は少ないだろう。

笹ヶ峰キャンプ場駐車場 登山口の駐車場は除雪されていなかった

 笹ヶ峰駐車場へ至る林道脇の残雪状況はこの時期としては多いように思えた。少ない年なら笹ヶ峰駐車場付近は無雪だが、今年はまだたっぷりの残雪に覆われており、これなら笹ヶ峰〜弥八山間の稜線はまだ雪が残っているかもしれない。例年だと登山口の小屋?がある駐車場が除雪されているのだが、今年はそこは雪に埋もれたままでキャンプ場の駐車場が広範囲で除雪されており、駐車場のキャパシティーはかなりのものだった(それとも毎年キャンプ場駐車場も除雪されていた?)。先客は2台のみで主は山小屋のようだ。たぶん山スキーヤーだろう。

登山口の門?小屋? 夏道は完全に埋もれトレースもない

 翌朝、明るくなってから出発。気温はさほど低くないように思えるが雪は良く締まって全く沈まない。昨日はこの付近も雨だった影響だろう。おかげで連休中のトレースはすっかり消えて夏道の形跡は皆無となっていたが、最後は黒沢にかかる橋にたどり着けば途中のルートはどうでもいいので、緩斜面を適当に歩いていく。時々木に目印があるが目印の種類ごとにルートはバラバラで、みんな適当に歩いているようだ。こちらも樹林越しに奥に見えている尾根に向けて適当に歩いていく。途中で小さな沢が現れて渡るかどうか悩んだりするが、この雪の量なら上流は雪に埋もれてどうにでもなるだろうとあまり気にせずに進んだ。一応、目印がある場所を選んで歩くようにはした。

黒沢を渡る橋。これだけ雪が多いのははじめてかも 黒沢

 やがて沢音が聞こえるようになり、緩斜面を登りきった向こうに黒沢が現れ、橋よりちょっとだけ下流側に出た。まあまあいい精度だ。今まで見た中では沢付近の残雪は最も多いように感じたが、既に沢の流れは出ているのでスキーで谷を遡上することはできないだろう。

黒沢左岸台地に上がる 黒沢左岸台地を西に下る
弥八山へつながる尾根 南には地蔵山と高妻、乙妻
谷から見た北側の稜線。広角で近くを撮影した都合上、歪が大きい

 橋を渡って段差状の斜面をよじ登ってなだらかな台地に出ると一面の残雪に覆われ、どこでも好き勝手に歩ける状態だった。正面に見える尾根向けてまっすぐ緩やかに下っていくと途中で雪が切れた区画があり水芭蕉が咲いていた。その先に沢の流れが出ているかちょっと心配だったがずっと雪面が続いていた。

この斜面を登った 青空が凄い!
振り向けば黒姫山 稜線に乗り北に登り続ける

 広い谷状の地形が立ち木がなく気持ちよく登れそうなのでルートとして選び、ここでアイゼンを装着してグングン高度を上げる。良く締まった雪でアイゼンが良く効き楽に歩ける。谷の上部は笹が出てしまっているので直接山頂は目指さずいったん尾根に乗って残雪伝いに山頂を目指す。さすがに標高を上がると残雪は豊富で、尾根の西側もまだ白い。

山頂らしき雪庇が見えてきた 弥八山山頂。今の時期は雪庇の上が最高点
弥八山から見た黒沢山へと続く尾根 弥八山から見た黒姫山
弥八山から見た火打山 弥八山から見た焼山
弥八山から見た黒姫山〜後立山(クリックで拡大)
弥八山から見た後立山〜北アルプス(クリックで拡大)

 さらに尾根を登ると弥八山山頂らしき雪庇が見えてきた。今日もいい天気で青空が眩しいくらいだ。巨大な雪庇の上に登って最高点に到着、本当の地面はまだ数m下で三角点探索どころの話ではないだろう。南側の展望はいいのだが北側は背の高い樹林が邪魔してすっきり見渡すことができないが、隙間から火打や焼山を望むことができた。おっと、懐かしの嘉平治岳もだ。あそこに登ったときはまだ残雪期の山の駆け出しの頃でビクビクして登ったが、たぶん今ならさほぼ恐怖感を感じずに山頂に立てるだろう。山頂標識や目印の類は全く見られなかったが、残雪期でもほとんど足を延ばす人がいないのかもしれない。

笹ヶ峰(山頂)へと向かう 尾根上は豊富な残雪が続く
この辺で尾根を外れて右に下る 鞍部手前でちょっとだけ地面が出ていた

 写真を撮影して笹ヶ峰(駐車場ではなく山)に向かう。標高1650mまでは単純に尾根を下っていき、その先で笹ヶ峰のピークを目印に右側の斜面を下るようにする。残雪が減って部分的に地面が出ているが藪は濃くなく無雪期でも歩けそうだ。傾斜が緩むと残雪が増え鞍部まで続いていた。

鞍部 熊棚が賑やか
笹ヶ峰へと登る 笹ヶ峰山頂

 鞍部に出ると稜線上は夏道が出ており東側に残雪帯が続いていた。登りは無雪の方が楽なのでできるだけ夏道を使って上がる。山頂が近づくと尾根上も残雪に覆われるようになり、笹ヶ峰山頂は残雪に覆われ地面は見えなかった。山頂標識があると思ったら見当たらず拍子抜けだ。今日はGPSを忘れてきたので位置の確認はできないが地形的に山頂で間違いなかろう。

夏道を下る 途中、水芭蕉が咲いていた
平坦になると夏道が雪に埋もれてルート不明 ここから林道に下りた

 笹ヶ峰から林道までの下りは標高が低い南斜面なので残雪は消えており、ある程度標高が落ちて傾斜が緩んで斜面全体が残雪に覆われるようになるまでは夏道を進んだ。標高1350m付近より下で広範囲に残雪が見られるようになって夏道は不明となり、適当に下って行ったが、林道に出たのは笹ヶ峰登山口より僅かに西側だった。

林道は場所によってはまだ雪の下 除雪終点

 林道はかなり雪が消えてスキーを使う場合は担ぐ場面が多そうだ。黒沢にかかる橋が除雪終点で車が数台止まっており、キャンプ場駐車場は大して車は増えていなくて10台強といったところか。出発準備中のスキーヤーがいたが、私はもう下山終了でこれから東京へとお帰りだ。こんな天気がいいときにもったいないが、今日明日はゆっくり休んで連休の疲れを取らないと。

 

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